Featured image of post オールフラッシュのNASを組んでみた

オールフラッシュのNASを組んでみた

目次

Mini-ITXなオールフラッシュのNASを作った話です。

SSDが安くなっていたので

2023年の中頃、例のやつ (中国とアメリカがバチバチしていて非常に迷惑なやつ) で高性能なSSDが安く出回っていて、お得に買うことができていました。そこで、4TBのM.2 NVME SSDをちまちま買い集めていました。

買ったのは以下のSSDです。価格は購入時点のもので、クーポンなどを適用した額です。

  • 1枚目 Lexar ARES (27000円くらい)
    7月にAliExpressで購入。日本人は誰も買っていなかったので情報がなく、多少不安はありましたが、届いてみればちゃんとYMTCの232層3D NANDでした。

  • 2枚目 Lexar NM790 (26800円)
    10月にAmazonでクーポンが出ているときに購入。

  • 3枚目 Lexar ARES (25500円くらい)
    12月末にAliExpressで購入。既に国内では他の4TBのSSDが3.5万円くらいまで値上がりしてしまっていたので、最後のチャンスだと思って追加発注しました。

SSDが3枚集まったので、これを使ってRAID5なオールフラッシュのNASを作ろうと考えました。

このSSDについて詳しく 中国のYMTC (Yangtze Memory Technologies Corp、スマホオタクは全員知ってるUNISOC (旧Spreadtrum) と同じ清華紫光集団の傘下企業) が米国のエンティティリストに追加され、AppleなどにSSDを販売できなくなったために、安い値段で投げ売りされていました。

今回買ったLexarのNM790は割と手に入りやすい定番のモデルだと思います。聞き馴染みのないMonster StorageやらHIKSEMIみたいな謎のメーカーに比べれば、Lexar(=Longsys)はそれなりに信頼できると思って選びました。詳しいレビューはいろんなところで上がっているのでそれを読んでください。

Lexar ARESのほうはというと、ゲーミングSSD的な売り出し方をしているので、NM790と何か違いがあるのかと思っていましたが、特に差は見つかりませんでした。載っているチップやパターンを目視で確認する限り同じで、パフォーマンスも特に違いがない気がします。誰か知っていたら教えてください。

構成を考える

要求仕様は、

  • NVMe SSDを4枚挿したい
    • システムドライブと合わせて4枚のSSDを搭載する必要があり、少なくとも3本はNVMeが必要
    • PCIeからM.2に変換して挿すのは、レーン分割がどうとか調べていじるのがめんどくさいので嫌
  • 無線でファイル共有したい
    • ケーブルと戦いたくないため、Wi-Fi 6で繋ぎたい
  • できるだけ小さくしたい
    • せっかくクソデカい3.5インチHDDから解放されるのだから、当然小型軽量に仕上げたい
  • CPU性能も一応要る
    • NAS以外のサーバー用途にも使うので、Celeronとかは無理
  • ATX電源かUSB PDで動作してほしい
    • ACアダプタは嫌なので

という特殊すぎる条件です。もちろんこれを満たせる既製品はないですね。

つい最近発表されていたUGREENのDXP480T PLUSはほぼ条件に合っているので、値段次第では選んでもよさそうです。現時点で未発売ですけど。

探していたところ、ちょうど新発売のMinisforum AR900iが浮上しました。価格は約9万円。

スペックはこちら。

  AR900i
CPU Core i9-13900HX
チップセット Intel HM770
グラフィック Intel UHD Graphics
メモリ DDR5 SODIMM ×2 (合計96GBまで)
ストレージ M.2 2280 PCIe 4.0 ×4
ワイヤレス Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.3
イーサネット 2500Mbps LAN ×1
ビデオ出力 HDMI ×1, DP ×1, USB-C ×1
規格 Mini-ITX

M.2が4スロットあってちょうどよかったので、これに決めました。前面だけではありますが、SSD用のファンがついているのもポイントです。

この他には、Gen4以降のNVMeが4スロットあるMini-ITXマザボは見つかりませんでした。3スロット以上なら、MSI MPG Z790I EDGE WIFI、ASRock Z790 PG-ITX/TB4、GIGABYTE B650I AORUS ULTRAがありましたが、適当なCPUを買って乗せても13900HXには敵わないのでやめました。システムドライブ用にSATA SSDを買ってくるのも面倒です。

というわけで、CPUが13900HXという明らかに過剰なスペックになってしまいました。しかし、総額は10万円強です。既製品のQNAPのTBS-464が9.5万円、ASUSTORのFS6706Tが7万円であることを考えれば、オールフラッシュNASとしては高額すぎるということもないと思っています。NASとしての運用をやめたら別の用途にも転用できますし。

パーツを手配

AR900iは事前予約期間だったのでそのまま注文しました。初回の発送の前々日に注文し、そこから2週間程度で届きました。

メモリはDDR5のSO-DIMMです。中古のDDR5-4800の8GB×2を2200円という激安価格で買えました。1枚2200円ではなく、2枚合わせて16GBで2200円です。ラッキーでした。

電源はCooler MasterのV850 SFX Gold。絶対に850Wも要りませんが、持っているSFX電源はこれだけなので使います。

ファンはPC COOLERのF3-P130-BKです。一般的な120mmファンと同じ穴位置なのに、130mm口径の変なファンです。静音性で有利かなと思って選びました。値段も1000円と普通です。

組んでいく

できました。

ケースは用意していないので、暇なときに3Dプリンタでフレームを作って設置しようと思ってます。とりあえずはスペーサーだけ作って置きました。

セットアップする

UbuntuをインストールしてRAID5を組んでみましたが、安定しなかったので、Windowsの記憶域プールを使うことにしました。

SSDを繋いだら、設定→システム→ストレージ→ストレージの詳細設定→記憶域スペース に進んで、「新しいストレージプールの追加」から設定します。

これがかなり最高で、複雑なことをしようとしなければGUIで数クリックで設定完了できます。

今回は3枚でパリティ(≒RAID5)にしました。4TBが3枚の合計12TBのうち、8TBの容量が利用できます。

あとはSMBでファイル共有を有効にして終わりです。無事アクセスできるようになりました。

ついでに、WSL上のUbuntuにCasaOSを入れてリモートアクセスできるようにしておきました。

速度を測ってみる

CrystalDiskMarkをローカルで実行した結果です。シーケンシャルリードで16GB/s出ています。パリティなので書き込みはそんなに速度は出ませんが、SSDの性能がいいおかげで十分高速です。

ネットワーク越しのアクセスでは当然もっと遅くなりますけどね。

使っていく

古いHDDからデータを移したので、既に2.5TBくらい埋まっています。これからも某SNSのバックアップなどで酷使する予定です。

PCIeスロットが空いているので、やろうと思えば10GbE対応にするとかもできます。

感想など

総額いくらかかっているんでしょうか。怖くて計算できません。

Minisforum AR900iについては、ちょうどよく出てきてコスパも良いと思うんですが、細かいところで詰めが甘い印象が残ります。説明書が説明不足で組み立てに手間取ったり、付属のネジが異常になめやすかったり、ドライバインストールがめんどくさい仕様だったりして、どうしても二流メーカー感が漂います。ほかにも、製品ページのレンダリング画像にはUSB4の表示があるのに実際はUSB3.2止まりなこととか、挙げればきりがないんですけどね。そのあたりが許せる方にはおすすめです。Ryzen版のBD770i/BD790iもあります (こっちはM.2スロットが2つだけ)。

NASに入れた4Kの動画をPremiere Proで直接編集とかしちゃったりしていますが、普通に編集できるレベルなので満足しています。

Built with Hugo
テーマ StackJimmy によって設計されています。