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SSDを積みまくったファイルサーバーを運用しているわけですが、4TBx3ではどうにも足りなくなってきたので、増設することにしました。動画やらバックアップやら、保存しておかなければいけないデータが際限なく増えてきたので……。
元の構成がこれで、MinisforumのMini-ITXマザーボードに、4TB SSDを3枚とシステム用1枚を使っていました。
そして新しいバージョンはこれ。1枚のカードに、8TB×2と4TB×2を挿しています。引き続きWindowsの記憶域スペースで、RAID 5相当のパリティに設定しています。
以下、大多数の人には関係のない記事が続きますが、ごく一部のSSD買いまくりおじさんには有益であると信じて、まとめておきます。
商品
Taobaoで購入できる謎のカード1です。PEX 8749というPCIeスイッチチップを搭載していて、最大8枚2のM.2 NVMe SSDを、マザーボードのPCIe分岐を必要とせずに接続できます。
化粧箱とか説明書とかそういうものは一切なく、本体とネジ類がそのまま袋に入って届きます。
怪しい商品すぎて、正式な商品名すらないようです。基板を見ると辛うじてYPCB-8748-0M2
YPCB-8749-0M2
と、型番というかリビジョンというか、何らかの識別番号が存在していますが、検索してもそれらしきものはヒットしません。
おそらく中古の廃棄されるサーバーからチップだけ外して再利用しているパターンで、異常に安い価格になっているものと思います。購入時の価格は、送料も含めて12000円程度でした。
さらにこの商品のナイスなポイントは、表側のM.2スロットの背が高いところです。両面実装のSSDに分厚いヒートシンクを取り付けても、干渉せずに挿すことができます。
性能としては、PCIe 3.0 x16なので、16GB/sです。4.0 x4のM.2 SSDなら2本分の帯域が最大です。とはいえ10GbEでも1.25GB/sしかないわけで、NAS用なら既にオーバースペックです。
ちなみに、4枚搭載のロープロファイルモデルもあります。
AliExpressにも同一商品と思われる出品がありますが、転売価格すぎて旨味がないので、購入はおすすめしません。
SSD
使っているSSDの内訳はこれ。
意図的にメーカーやコントローラーを分散させて、全滅を避けるようにしています。ファームウェアの不具合で4万時間で死ぬSSDとか、はんだ不良でデータ消失するSanDisk Extreme Portableとか、怖い事例を見て怖くなってしまったので。この記事を書いている最中にも、特定のWindowsバージョンと特定のコントローラーの組み合わせでデータを書き込み続けるとクラッシュする問題が話題になっていて、リスクとしては無視できるものではないと思うのです。
以下、flash_idの結果と感想を貼っておきます。
HIKSEMI FUTURE (4TB)
Maxio MAP1602 / YMTC 232層TLC / Amazon
説明不要の我らが蝉族。しかもヒートシンク付きの通称エヴァ蝉。
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G-Storategy NV470 (4TB)
Maxio MAP1602 / YMTC 232層TLC / Amazon
FFF SMART LIFE CONNECTEDという謎メーカーの、G-Storategyという謎ブランドの商品ではあるが、ファームウェアを見る限り本家蝉族とまったく同じものの模様。
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Nextorage NE1N8TB/GHNEL (8TB)
Phison E18 / KIOXIA 162層TLC / Amazon
他のレビュー記事ではBiCS5搭載となっていたが、2025年に入ってから購入した分はBiCS6になっていた。価格は当然高かったが、性能や信頼性の面ではお得感がある。8TB SSDを買うならこれが一番おすすめ。
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WD_Black SN850X (8TB)
Black G2 Triton MP16+ / KIOXIA 162層TLC / Amazon
自社製謎コントローラーの挙動が洗練されていない感じがして、この4本の中では一番ハズレ感があった(SLCキャッシュ再展開がおかしい説、PCIeスイッチ通すとPCIe 2.0で認識してしまう件、やや古いコントローラーなので製造プロセスも1世代落ちで高発熱ほか)。非Phison、非Maxioの8TBモデルはこれくらいしか選択肢がないので仕方ない。価格は十分安かった。
SSDの質は微妙だし青HDDは無限IntelliParkするし、最近のWDは安牌とは言えないのでは?ボブは訝しんだ。
まとめ
そういうわけでいい感じに仕上がったので、普段はNAS用PCのX870のチップセット経由のPCIe 4.0 x4スロットに設置して運用しています。x16スロットは5090がFolding@homeしていて忙しいので。
怪しいカードのおかげで、非常に省スペースにまとめることができました。コンパクトに収めたいという要求は、トラブルが起きた時にハンドキャリーできるサイズにしたいという理由が大きいです。前回の構成では、マザボごと持ち運べるサイズにできました。今回は、カードを引き抜いてそれを持ち運べば、別のWindows機に雑に挿すだけで復旧できます。これで大地震が起きてもアポカリプスが訪れてもデータは無事、大勝利というわけです。頭がおかしいと思いましたか?そうです、頭がおかしいんです。
おまけ
わざわざ輸入しないで翌日届いてほしいなら、Amazonで購入できる10Gtek S95S4X8というやつが良いです。というかこれしか選択肢はないと思います。
自前ヒートシンクが使いにくいとか、両面実装では裏面が冷やしにくいとか、4枚しか乗らんのにやや高いとか、その程度のウィークポイントはありますが、十分おすすめできます。
おまけ2
SATA SSDをたくさん束ねたい場合は、この商品がおすすめ。片面に2枚ずつ、両面合わせて4枚搭載できます。こいつを買ったおかげで、SATAケーブルと電源ケーブルをいちいち繋ぐ手間から解放されて幸せになってしまいました。
Teamの16TBのSSDを4本使って、合計64TBのストレージを作るなんて芸当も可能です。そんなことやるやついないと思いますが。
写真のモデルはPCIe 2.0 x4ですが、x1接続のものも存在しています。価格差は5000円くらい。x1だとSATAの1本分にも満たないので、多少値が張ってもx4のほうを買ったほうがいいと思います。
購入の際には注意点も結構あります。Amazonで普通に検索してもなぜかヒットしないので、型番またはASINを知っていないとたどり着けないと思います。PCIeレーン数の違いだけではなく、SSDが2本しか積めないモデルとか、電源は供給してくれるけどSATAケーブルの接続が必要なモデルとか、バリエーションが多いので気を付けなければいけません。正しい型番はSE-PCIE-SSDx4-SATA6G-RAID
、ASINはB07SGQLTQSです。
それから、品質は悪そうです。この個体は最初から表面中央に目立つ傷が入っていて悲しいです。動作に問題ないのでそのまま使ってます。