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picoPSUというのがある
かなり昔から売っている製品で、picoPSUというのがあります。Mini-Boxというメーカーが作っていて、公式サイトの説明文では「世界最小の12V DC-DC ATX電源ユニット」とのことです。平たく言えば、ACアダプタで自作PCを動かせるようになるやつ、ですね。
これのコピー商品がいろいろあって、おもしろそうなので買ってみました。そして、最近流行りのトリガーケーブルを使ってUSBで給電できるようにします。さらに、ショボいローエンドCPUではなく、最新世代のRyzen7を動かしちゃいます。
結論から言えば、ちゃんと動作して値段もそこまで高くはないので、小型な自作PCを作りたい人には選択肢としてアリだと思いました。
買ってみた
買ってみたのがこれです。
RGEEKのRP-200P-Wというモデル。他の製品だとほとんどが12V入力ですが、これは12Vから24Vまでの入力に対応しています。その分ちょっと高いですが、本家のpicoPSUを買うよりは全然安いです。
届いた実物はこんな感じ。24ピン、CPU 8ピン、SATA、ペリフェラルがそれぞれ1つずつの構成です。
組み立てる
PC
このPCで試していきます。
Ryzen 7 7800X3D、ROG STRIX B650E-I、DDR5-4800 64GB、SN730 512GB、STREACOM BC1 V2、あとは謎のメーカーのCPUクーラーです。Zen5が出たら使うために確保してあるマザボで、CPUはAliExpressのセールに乗じて安く手に入れたものです。
本当は自作NASで使いたかったのですが、これに使っているAR900iとかいうマザボがバグっていて、BIOSでCPUの電力制限をかけても効かないらしく、動作させられませんでした。解決策を知っていれば誰か教えてください。
ACアダプタ
いろんなところで売っている、ノーブランドの怪しいUSB PDトリガーアダプタを使います。安ければ500円弱で手に入ります。最大20V、5Aです。RP-200P-Wは200Wまで出せるのですが、USB PDの規格上、100Wを超えると28V出力になり入力電圧の範囲外になるので、100Wまでしか使えないと思います。
RP-200P-Wは外径5.5mm/内径2.5mmのトリガーケーブルが使えるので、ほかの製品でも大丈夫です。
そして前回紹介したMomax 1-Worldの100W版です。120W版についてきたケーブルで接続します。
完成
接続して起動できました。CPU電源が短くて届かなかったので、延長してあります。
消費電力の高いCPUの場合は、事前にBIOSから電力制限をかけておかないと起動しない可能性が高いです。今回は50Wにしました。マザーボードによって操作は違いますが、ASUSの場合はAi Tweaker/Precision Boost Overdriveに入ってManualに設定、PPT Limitに50を入力します。
動作
Cinebench R23の結果は16310ptsでした。
普通の電源(Cooler Master V850 SFX Gold)で電力制限をかけずに実行した結果がこちら。17995ptsです。
50W制限でも約9割の性能が出ているので十分使えると思います。
Cinebench実行中の電力はこんな感じ。
高負荷時で85Wなので、余裕はあります。もう少し電力制限を緩めてもいいかもしれません。
とりあえず使える
普通に動くことはわかりましたが、安定して長期稼働できるかはまだ謎です。けっこう発熱もあるので心配ですね。
電力的にも搭載されている電源コネクタ的にも、グラボは積めないと思いますが、内蔵GPUで十分な用途であれば活躍できると思います。小型、軽量、静音なPCが作りたい、だけどCPU性能は妥協したくない、そんな特殊すぎる目標をお持ちの方はぜひ試してみてください。